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実戦合気道 春季広域指導者認定合宿レポート

令和8年5月5日開催


 令和8年5月5日、東京都立川市近郊において合気道S.A.主催による“広域指導者資格認定合宿”が開催された。今回の合宿も全国各地から参加者が集い、また海外からの参加者も4人とバラエティに富むメンバー構成での合宿開催となった。

 今回の合宿では櫻井代表師範御自身の中で合気道S.A.と新合気術との区別がシッカリと整理出来、またその中で新しい合気道S.A.としての立ち位置・理合・基本技等の整理も出来たとの事で、通常の指導者合宿とは少し趣の異なった合宿となったのである。

 まずは構え・基本動作・体捌きである。こちらは指導者合宿特有の“第三者の客観的な目に晒され自分では気づけない点に気づく、また自分自身の見る目を養う”といった理念の下、グループに分かれての合宿開始となった。新たな合気道S.A.とはいえ、従来の構え・基本動作・体捌きを重要視する姿勢は変わらず、各自自分の動きを見て貰い忌憚の無い意見に耳を傾け、また自分自身も他の人の動きを見る事により見る目の育成、気づいた点についての確認といった指導者としての基本的な姿勢について学んでいったのである。

 そうしてシッカリと時間を取った後は今回のメインとなる新しい基本技である。ちなみに新しい基本技と言いつつ、今までの基本技や審査科目が変わるという事ではなく、そちらはそのまま維持されるという事であるので御安心を。さてその新しい基本技であるが少し具体例を挙げてみると…“正面打ち一ヶ条抑え(外捌き)・顔面打ち二ヶ条抑え(外捌き)・回し打ち三ヶ条抑え(外捌き)・回したたき四ヶ条抑え(外捌き 受けの手の甲側)”といったものである。これらは全て“受けの体幹中枢を崩す技法”として構築されており、一本芯の通った理合の下に新たに整理された基本技となっている。名称はそれほど変化は無いように見えるが技自体は最近の新合気術に寄った技となり今までの技とはかけ離れたものとなっているのだ。

 これらを分かり易く言い換えると…“相手に触れた点を接触点としてそこから相手にパイプを接続して相手の体幹中枢へと合気力を通し崩す技法”である。最近の櫻井代表師範の技の進化を知らない方々にとっては“???”となるかもしれないが、現在の代表師範の技は正しくこういうものへと変化してるのである。どの技であっても同じように触れた所から相手の体幹中枢へ合気力を通して崩してしまう。というか、実は代表師範にかかると技の前の段階で、即ち体捌きや崩しの段階で我々の身体は腰砕けになり、もう既に抵抗も何も出来ない“死に体”になってしまっているのである。それはそれでそれなら技が必要無いのでは??と考えてしまうが、技の追求の先にそれらが実現可能になるという事で究極の目標(代表師範はまだまだその先があると仰るが)として少し置いておく事にする。

 代表師範の技を実際に受けてみると、こちらは本気で打ち込んだり抵抗したりしているというのに触れられた瞬間にまるで無意味にされてしまうのだ。当然これには正確な基本動作の積み重ねによる地力の養成、武器術による手の内、柔らかな持ち手といった様々な要素が絡んで来るのであるが、肝心要な点はやはり“相手の体幹中枢へ合気力を通す”という事であろう。極論すればこれが“全て”であり、これが実現出来れば全ての技が同様であり正しく“一が全・全が一”である。我々本部の人間も代表師範の指導の下、稽古に励み代表師範の仰る事を体現してみようとするが…一連の技の崩しの流れの中や多少の力づくであれば相手を倒す事は可能であったりするが、とてもではないが代表師範のようにはいかない。

 常日頃、代表師範が“自分の身体の何処から力を発生させているのかを意識して稽古する事が重要である”と仰っておられるが、皆、頭を悩ませつつもどうしても代表師範のようにはいかず、相手の強い所にまともに力をぶつけてしまい相手の抵抗を容易く受けてしまうのだ。また代表師範は“これらは感覚的なものであり、個人の思考・体格・筋力等様々なものにより違いが出てしまうので、個人個人でその感覚を試行錯誤を繰り返して身につけるしかない”とも仰っており、言葉で簡単に指導説明出来るものでは無いようだ。

 代表師範御自身も様々な試行錯誤・多くの失敗を繰り返し長い時間を掛けて徐々に身につけたものであり、やはり一朝一夕に身につくものではないのであろう。しかし我々にはそれを体現しておられる代表師範が身近に存在し、実際にその指導を受ける事が出来るという素晴らしい“武縁”に恵まれているのであるから、何とかそれらを体現出来るように稽古・修行に励みたいと考えるのである。こうして代表師範の指導の下、大いに頭に汗をかきながら新たな基本技を一通り終えたのであった。

 今回の合宿ではイギリスからの参加者の方々から是非組手をやってみたいとの希望があった為、合宿の最後における自由稽古の時間に組手も行った。この時間は通常、合宿で習った事の確認や復習といった各自が各々考えて稽古を行う時間である。

 合気道S.A.といえば試合や組手がクローズアップされ易く、どうしても“荒い・恐い・力任せ”といったイメージがあるが、現在の本部においては組手は最後の自由稽古の時に技の確認や入り方等を試してみたいと思った方々が自由に行う形になっており、合気道S.A.創世記の頃のような組手メインの稽古という形にはなっていない。多少支部によってその辺りは異なっていたりもするが、概ね無理に組手を行う事は無いのでそれほど心配する事は無い。しかし現実問題としてある程度自由組手を経験しておかないと中々思うように技が出せなかったり、相手の抵抗・反抗を受けてしまうと全く何も出来ないという場面もあったりするので、その辺りは個々の判断にお任せする感じである。

 最近の合気道S.A.の試合はというとオープントーナメントから名称が“新合気術実証実験研究会”となり、代表師範の考えるより実践的な使える技・動きを試す場となっている。実際問題として触れた瞬間に相手の体幹中枢へ合気力を通して崩すという技を目指して各々精進しているが中々思うようにはいかず、まだまだ代表師範の思い描く理想の組手には遠く及ばないのが現実であるが、歩みを止めず諦める事無く努力し続ける事も重要であろう。

 さて実際の組手である。イギリスの方々は他武道・他流派も様々経験しておられ、体格・体重も大柄で大変腰もシッカリしておられた。外人の方を相手にする場合、純粋にパワー勝負をしても中々難しいという事もあり、常日頃の稽古の今現在の方向性の確認としての正しく試し合いであった。しかし中々そう思う通りにはいかず、どうしても相手のパワーに対してパワーで対抗してしまったり、捻ったり押し込んだり掴んで力任せに倒そうとしてしまいがちであった。この辺りはまだまだ我々の経験・技術不足であり,日頃の稽古の中でもまだまだ色々と考え、試行錯誤を繰り返しながら代表師範の目指す理想の組手に少しでも近づけるようにしたいと強く感じさせられたものである。


 このように今回の合宿は合気道S.A.の新たな基本技の解説がメインとなった新しい試みであったが、それぞれが学びが多く有意義な合宿となったようである。

 今現在、合気道S.A.は合気道S.A.・新合気術と二本立てとなり、代表師範の技はドンドンと変化・進化しており非常に変化の激しい状況となっている。各支部における指導者・門下生はこういった機会に最新の代表師範の技に触れ、技をアップデートしていく事は必要不可欠であると考える。また他武道・他流派の方々もこういった機会に代表師範の技に触れてみるのは良い気づき・新たな発見がある事であろう。ほんの少しの勇気を出して積極的に参加していただきたい。きっと今までの認識が崩れ、目から鱗の体験が出来る事であろう。

<合気道S.A. 広報部>