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実戦合気道 体術広域指導者認定合宿レポート

令和7年11月30日開催


 2025年11月30日(日)、東京都立川市近郊にて体術の広域指導者資格認定合宿が開催された。指導者としての立場からの稽古に対する視点や普段の稽古よりもさらに深堀りした内容に触れながら、代表師範による指導説明及び、グループに分かれた参加者各々による研究が進められていった。

 まずは基本動作について指導研究がおこなわれた。基本動作をする際には、身体のどの部分から力を出していくかという発想ではなく、身体全体から出す力によって動作していくようにするべきであるとの事であった。そのためには自身を一つの球体であると認識する必要がある。ではそう認識するためにはどうすれば良いのかというと、それは感覚的な話になってくるので、具体的に説明するのは難しいのだそうだ。なぜなら感覚的なものを説明する際、言葉や文字にしてしまうと正確に伝わらず、嘘になってしまうからだ。

 指導を受けた後、参加者達の研究課題は球体の認識がどういうものなのかを自身で感覚的に掴むという点が主な内容になっているようだった。しかし、今日だけで掴むには当然難しい内容であるため、持ち帰って各々の稽古の中で繰り返し研究を続けていく必要があるだろう。

 次は体捌きについてであった。体捌きをおこなう際は、相手の攻撃を避けようとしてはいけない。自分の中から相手の中へ乗り移っていくように捌くのだそうだ。参加者は皆「どういうこと?」と言いたげな顔で代表師範の説明を聞いていた。だがこれも感覚的なものなので、自分でその感覚を掴まなくてはならないものであった。

 代表師範が実際に避ける動きと捌きの動きの違いを見せてくれたが、見ているだけでは違いはわからなかった。しかし自分がその捌きを実際に体験してみると、避ける動きの時はその動きについていけるのだが、捌く動きだとついていけず、捌かれただけで自身が崩れていっているのが感じられ、それぞれの動きについての明確な違いを体験する事が出来た。

 しかし自分で捌きをおこなってみると、始めから斜め前へ出ようとしているらしく、自分では避けずに前へ出ているつもりでも相手に動きを読まれてしまい、相手を崩すような捌きは出来ていなかった。受けてくれた相手の話では、代表師範の捌きと違って中に入ってくるプレッシャーのような感覚が無いとの事だった。そこから考えると自分の捌きはまだまだ相手に乗り移るような動きになっていないのだろうという気づきを得られた。今後は様々なパターンで捌きを試し、相手に乗り移る感覚とはどういうものなのかについて深掘りしていこうと思った。

 続いて技の指導研究が一ヵ条から順番におこなわれた。内容的には審査技を流れに沿っておこなうというのではなく、取り上げた技に於いて、どのように自己の合気力を相手の体幹中枢へ通すかという点に重点を置いて進められていった。厳密にいえば、技ごとにやる事があるような表現は正確ではなく、どの技でもやる事は同じで、相手の体幹中枢へ合気力を通し、相手が一番強くて自身のある部分を崩していけば良いのである。そして相手の体幹中枢へと力が通せれば、相手が力んで身体を固めていようが、力を抜いていようが、前かがみで耐えていようが関係なく相手を崩せるようになる。代表師範は参加者一人一人へ実際に技を掛け、それを体験させていた。

 しかし、この一見単純に聞こえるたった一つの工程を実現するのが非常に困難で、参加者は自分で受けた代表師範の技の感触を手掛かりに考察と実践研究を繰り返していた。先述の通り、すべての技でやるべき事は同じである。どの技は出来てどの技は出来ないという事はないので、技ごとの得意不得意というものは存在しない。一つの技が出来たらすべて出来るはずなのだ。だから今後はすべての技をまんべんなく稽古する中で、それぞれの技の中にあるヒントを見つけ出し、それらを総合的に見直して紐づけながら相手へのアプローチ方法について研究を深め、自己の技の進化に繋げていこうと思った。

 

 代表師範自身、日々の稽古と研究によって今もなお進化を続けている。だから合宿ごとに指導する内容が違ってくるし、もしかしたら今回説明していた内容も次回では実は間違っていて、別の方向性へと進んでいる場合もあるかもしれない。だから代表師範の指導研究について常に自己のアンテナを張っておく必要があると感じつつ、今回の合宿を終えた。

<合気道S.A. 広報部>