令和7年3月2日開催
令和7年3月2日、東京都立川市近郊において合気道S.A.主催による“オープントーナメント実戦合気道選手権大会”が開催された。また今大会より大会名称が新たに“新合気術実証研究会”へと変更されるとの発表が櫻井代表師範よりあった。

櫻井文夫代表師範を中心に参加者一同
ちなみに“新合気術”とは…“ 合気道S.A.の合気道組手や型稽古から培った技法で、相手が見切って攻撃する刹那に仕掛ける技法や、自らが相手と擦れ違いざまに仕掛ける技法などが集約されている術理体系の事である。その術理は…相手の末端を極め制するのではなく、相手の体幹中枢に合気力を透して崩し制するものとなり、相手に受け身を取らせる事無く崩し潰すものとなる。
相手が受け身を取れるのは、まだまだ相手に力の余裕がある証である。代表師範によると「演武はウソで本物ではない」植芝盛平先生がずっとそう仰っていたと塩田剛三先生から何度も聞かされていたそうである。植芝盛平先生が思い描く合気道は、技が掛かれば相手は一瞬にして受け身も取れずに潰れ、二度目の攻撃など到底出来ない程のダメージを与える武術である!との事である。

左:東山真教選手(合気道S.A.品川) 右:皆川康浩選手(フリー)
新合気術では、このように一瞬で極める事を求めるのが武道・武術の本来の姿だと考え、刹那の接触で決着がつく技を目指しているのだ。(合気道S.A.本部YouTubeチャンネル参照)”という合気道S.A.の新しい部門である。
それにより大会ルールにも若干の変更があった。詳しくは合気道S.A.本部HPにてご確認をお願いしたいが、主に打撃技・肘への関節技等についてが変更となる。合気道S.A.として“武道・武術としての原点回帰”を謳い、実際に使える技を目指して長年の研鑽を重ねて来た訳であるが、どうしても実戦性・ルール・安全性といった問題に直面する。プロとしての興行であるならば派手な打撃の応酬に派手なKOといった、見て面白い盛り上がる試合内容を目指す事になるのであろうが、合気道技の有効性・実用性を確認・実証するという実験の場である合気道S.A.の大会においてはいささか趣きが異なって来るのである。過去にはフルコンタクトルールに近い形で色々と試してみた事もあるそうであるが、そうなるとどうしても打撃技メインの戦いになってしまいS.A.本来の目的という意味からは遠ざかってしまったのである。
S.A.の大会ルールについては様々なご意見がある事は勿論我々も承知しているが、代表師範は大会を重ねながら様々な紆余曲折を経て、実戦性・安全性といった観点からルール改正・改良を行なって来たのである。そして代表師範の長年の研鑽・試合経験からのフィードバックされる“真実”より満を持して合気道S.A.の新部門“新合気術”の立ち上げとなったのだ。新合気術については前述の通りであるが、そちらの“実証研究会”としての立ち位置へと移行するという事である。当然、そこには“進化する合気道”としての合気道S.A.の理念は変わる事無く引き継がれている。

左:木村圭吾選手(合気道S.A.品川) 右:田島尚樹選手(合気道S.A.昭島)
今回の研究会ではそういった趣旨に賛同いただいた参加者の方々により開催された次第である。今回が初開催という事もあり参加者の動きを見てもまだまだ戸惑いを感じさせられたが、今後実証研究会を重ね、また参加者の意見にも耳を傾けながら、更なる実効的な改良・改善が行われる事になるであろう。
実際の試合内容としては…各参加者の“捌き・崩し”への意識の変化や技についても様々な試行錯誤がなされている様子が見られた。やはり新たな一歩を踏み出すというのは非常に大きなパワーを必要とするものである。失敗を恐れず、常に留まる事無く進化する事を目指す櫻井代表師範の姿勢には本当に自然と頭が下がる思いである。この“新合気術”であるが今現在では合気道S.A.本部道場においてのみ学ぶ事が可能である。(稽古日程・時間等については本部HP参照)
また合気道S.A.では現在、本部YouTubeチャンネルを公開している。組手合気道を30年以上研究し続けた実績に基づいて構築され、更に進化し続けている実戦合気道の基本技を広く紹介するという趣旨の下に公開されており、最新の新合気術の技法も勿論紹介されている。興味を持たれた方々は是非こちらもご覧いただきたいと考えているが、実際のところ、チャンネル制作に携わっている我々の本当の実感としては…“櫻井代表師範の技の凄さは映像では伝え切れない!”という事である。S.A.門下生においてでさえも“何故あれで倒されているのか分からない・理解出来ない!”といった声が聞かれるので、他武道・他流派の方々からすると更に一層その気持ちが強いであろう事は想像に難くない。様々な誤解を恐れずに敢えて断言させていただくと…“代表師範の技の凄さは実際に技を受けてみないと理解出来ない!”という事である。
幸いな事に6月には新合気術として初となる広域指導者資格認定合宿が開催される。こちらも今までの合気道S.A.同様に他武道・他流派を問わずに広く門戸を開放している。このレポート・YouTube等で少しでも興味を持たれた方々は是非積極的に参加してみていただきたい。本物の技を実際に体験・体感出来る数少ない貴重な場である。
<合気道S.A. 広報部>
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