· 

剣術・杖術・短刀術 広域指導資格認定合宿レポート

令和5年9月23・24日開催


令和5年9月23・24日の2日間、東京都立川市近郊において合気道S.A.主催による“剣術・杖術・短刀術 広域指導者資格認定合宿”が開催された。合気道S.A.の武器術合宿は年に1度しか行われないものであり(体術合宿は年2回)武器の技術について再確認を行う事の出来る数少ない貴重な機会である。

今回は初参加者が2名と新鮮な気持ちでの稽古開始となった。

合宿の流れとしては…基本動作・基本打ち・相対・武器取り(短刀・杖・剣)となる。

 

まずは基本動作である。武器術合宿においては基本動作の武器術としての運用について櫻井代表師範より指導・解説が行われた。合気道S.A.の基本動作は形だけを真似しようとするのであればそれ程難しくもないと思われる。しかし修行者の理解が深まって来るに従ってその動きの意味が理解出来て来ると、本当に難しい奥深いものである事が分かる。基本動作についてはまた後日に開催される体術合宿レポートにてまた詳細は紹介されるであろうし、それだけでレポートが終わってしまいそうであるので残念ながら今回は割愛させていただく事にする。

それでは武器術である。まずは基本打ちであるが、普段の稽古においては基本打ちについて代表師範が事細かく指導される事は殆ど無い。これは時間的な制約があり、あまり詳細な指導をすると稽古が進まないのは勿論、全員が全員そこまでの内容を必要としてない・理解が追いつかない等々の諸事情によりどうしても仕方のない事だといえる。

勿論基本的な事柄・間違っている事についての修正はその都度シッカリと行われる。しかしそうした中ではどうしても自分なりの思い込みや癖・理解不足といった事で、動きが自己流になりがちであるのは仕方のない事である。そういった意味では年に1度の自己の動きの確認・積み重ねて来た動きの“答え合わせ”をする機会としての武器合宿は重要な意味を持つのだ。

私自身も普段の稽古では様々な事を考え試行錯誤をしつつ動きを作り上げているつもりではあるが、武器合宿での”答え合わせ”は非常に緊張するものである。今回の合宿では参加者全員が長年稽古を重ねている方々であった事もあり、より一層丁寧な確認作業となっていったのである。

 

まず代表師範による基本打ちについての解説が行われ、その後に各自による自分の動きの確認作業、そして合宿の目玉ともいえる代表師範を含む他の参加者による厳しい目での客観的な第三者的視点による確認作業である。

これは自分自身の動きの確認は勿論の事、他人の動きを客観的な視点で見る目を養うという指導者としての資質をも育てるものであるのだ。当然、代表師範・各支部の代表・古参の先輩方々の目の前で行うという極度のプレッシャーの中で、如何に平常心で普段通りの動きが出来るのかという精神的な面の強化という側面も存在する。また先輩・後輩といった立場に捉われず客観的に見て客観的な意見を主張する事により、自分自身の理解についてもまた再確認出来、理解を深める事が出来るようになるという事になるのだ。しかしそうは言いつつこの緊張感は指導者合宿ならではのものであり唯一無二のものであるので正直中々大変ではある…。

一人ずつ基本打ちを行った後、それぞれ気になった点について指摘をし合い、それについて代表師範による見解が加えられる。そうする事により指摘した側・受けた側双方にとって更なる理解が深まるのだ。

 

どうしても各々の動きには身体の使い方・理解等により本人が気がつかない癖が出たり、正しいと思っていても実は間違っているという事も多々存在するのである。そういったものを客観的視点にて活発に議論を重ねる事により、より理解を深めて行く事が可能になり個人のレベルをも上げる事もまた可能となるのだ。

私自身も今回の合宿では様々な修正点や改善点が見つかり、また初めての参加となった方々には自分の思っている動きと実際の動きとの相違・また動きへの理解についての問題と様々な発見・気づきがあったようである。かなり頭をフル回転させる必要があり、代表師範のよく仰る“頭に汗をかく稽古”を実践出来、大変な喜びと驚きを感じる事が出来たようであった。

基本打ちの次は相対へと入る。相対も基本打ちと同様に動きの確認の後、客観的な視点でお互いにチェックを行う。相対は当然であるが正確な基本打ちが前提となる。また相手が居る事・間合い・相手の攻撃等がある事により更に難易度が上がり、先程まで細かく修正されて来た事が瞬時の判断で必要となり、中々思うように動く事が出来ず本当にもどかしい状態が続く事になる。正確な動きにプラスして繊細な間合い・相手との呼吸が必要となるのだ。本当に奥が深いものである。当然、今までの自分に染みついた動きが1度の合宿で完全な動きが出来るようになるかといえば答えは“否”であろうし、そんなに簡単な話ではない。

しかしこの合宿を通じて学んだ様々な事を日々の稽古へとフィードバックする事により、自身の動きをより高みへ導き、またそれにより技も向上する可能性が出て来るのだ。それには正しく“千里の道も一歩から”であり、代表師範が常日頃仰っている“薄皮を1枚1枚積み重ねていく気の遠くなるような地道な稽古の積み重ね”が必要となるのである。

 

基本打ち・相対と来て最後は武器取りである。今回の合宿においては参加者全員の意向もあり“基本”をかなり重要視し時間をシッカリと掛けた事もあり、普段の合宿とは異なり武器取りをメインに行う時間はそれ程取られなかった。しかし代表師範からは武器取りについての“意識や考え方”についての指導・解説があり、こちらは普段とは違うがまた特別で有意義な稽古となったのであった。


今回の合宿はこのようにいつもとは少し違う、“基本”をかなり徹底的に重要視した合宿となったが、実りの多い濃密な2日間となったのである。武器術については本当に難しく、一朝一夕に何とかなるというものでは決してないが、合気道S.A.の武器術は“武器術の為の武器術”ではなく代表師範の理合に基づいて構成された体術にリンクした“体術の為の武器術”である。武器という無機物を有機物のように自分の思う通りに自由自在にコントロール出来るようになれば、当然体術の技術のレベルアップへと繋がるとの事である。

本当に先の見えない”五里霧中”状態であるように思えるが、幸い我々には櫻井代表師範という目に見える具代的な目標が存在しシッカリとした指針となってくださっている。目指す頂はまだまだ遠いが正しい稽古を積み重ね、一歩ずつでも少しずつでも近づきたいと考える次第である。

 

最後になるが、合気道S.A.の門下生のみならず他流派・他武道の方々も是非一度講習会・合宿等に参加される事をお勧めする。自分なりの自己流の動きを修正するという点は勿論の事、ここ最近の代表師範における技の進化は本当に目を見張るものがあり、またその進化スピードが驚異的なのである。各支部の代表の方々を含め、技のアップデートをする事は必要不可欠な事であると考える。そうする事により新たな稽古の指針や目標がより明確になっていく事であろう。

 

是非皆様の積極的な参加を心待ちにしている。

<合気道S.A. 広報部>